今回のマイカ先生のブログは、芝生の能力と葉の寿命に関するお話です。
この写真は、 2019年10月1日にティフイーグル(バミューダグラス)とワナ(マニラグラス(訳注:コウライシバ)を、直径 3 cm のプラグとして移植して 174日目のものである。
どちらもチッソのみで育成してきており、 P も K も一切与えていないので、マニラグラスの方は「まあまあ」という印象であるが、バミューダグラスの方は冴えない感じである。
しかし、およそ半年近くにわたってこの二つの鉢を見続けてきて、もっと別のことについて、ある種のショックを受けたのである。バミューダグラスの方は、葉が成熟し、老化し、枯死して次々に新葉と入れ替わってゆく。マニラグラスの方は、新葉がいつまでも元気なのだ。プラグとして植え付けた直後に現れた新葉は、すでにほぼ 140 日もの長期にわたって生き続けているのであるが、一向に老化したり枯死したりする様子がない。
昔に読んだ教科書 Fundamentals of Turfgrass Management (クリスチャン、パットン、ローの共著)には、「芝草の葉の寿命はわずか30日から60日程度である」と書かれている。マニラグラスの葉がこんなに長期間にわたって元気でいるのは実に興味深い。
この実験では、刈り込みは行っていない。普通であればハサミを使って刈り込むのであるが、これは刈り込まずに育てた。午前中は建物の陰になって日が当たらないが、午後は直射日光を受ける。ざっくり言って日照率 50%。ティフイーグルよりもマニラグラスの方が元気なのはそのせいだ。水やりは、しおれが発生しない程度。植え付けを行ってからの気温は暖地型芝草にとっては理想的な範囲であった。何しろここは北緯7度、海抜はほぼ0メートルの場所である。日蔭であったこと、および P と K を与えなかったことを除けば、他の条件は何一つ問題なかったと言える。
グライムが唱えた「ストレス耐性戦略」 stress tolerating strategy of Grime タイプに分類される植物は、葉の寿命が長いことが多い。グリーン用のマニラグラスについても、これが当てはまるようである。
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公開日:2020年3月25日